モテる口説き

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二股でどちらも選べないときの対処法 〜本当の自分の気持ちと向き合うために〜

「好きな人が二人いる」

この言葉を口にするとき、あなたはどんな表情をしているでしょうか?少し照れくさそうに?それとも本気で悩み苦しんでいますか?

二股をかけている状態というのは、映画やドラマの中では羨ましく見えるかもしれません。でも実際に経験した人なら分かるはず。それは決して楽しい状況ではなく、むしろ自分自身の心が引き裂かれるような苦しみを伴うものです。

私自身、数年前に似たような状況に陥ったことがあります。学生時代からの付き合いがある彼と、職場で知り合った新しい彼。どちらにも惹かれる気持ちがあって、選べない日々が続きました。毎日頭を抱え、夜もよく眠れず、友人からは「贅沢な悩みね」と言われながらも、本当に苦しかったことを今でも鮮明に覚えています。

でも、そんな状態はいつまでも続けられるものではありません。どこかで決断をしなければ、結局は三人とも不幸になってしまうんです。

今日は、二股状態でどちらも選べないときの心理状態や、実際に乗り越えた人たちの体験談、そして具体的な決断方法について、できるだけ実践的にお伝えしていきます。この記事が、同じような悩みを抱えている方の一助になれば幸いです。

なぜ決められないのか?二股状態の心理を解剖する

まず最初に理解しておきたいのが、なぜ私たちは二人の間で決断できなくなってしまうのか、その心理的なメカニズムです。これを知ることで、自分自身の状況をより客観的に見つめることができるようになります。

それぞれに異なる魅力がある

最も一般的な理由は、二人がそれぞれ異なる魅力を持っていることです。例えば、一人は安定感があって将来を見据えられる関係、もう一人は情熱的でドキドキする関係といった具合に。

友人の智子さんは、こんな風に話していました。「彼氏のKさんは誠実で将来のビジョンもしっかりしていて、一緒にいると安心するの。でもLくんといると、毎回新しい発見があって、心が躍るような感覚になるんだよね。どっちも捨てられない、そんな気持ちだった」

人間の心理として、異なる種類の欲求が満たされると、どちらも手放したくなくなるものです。それぞれが埋め合わせのきかない価値を提供してくれるからこそ、選択が難しくなります。

決断=リスク(失うもの)が怖い

決断を先延ばしにする大きな理由のひとつが、「失うことへの恐れ」です。心理学では「損失回避バイアス」と呼ばれるもので、人間は得るものよりも失うものに対して約2倍の痛みを感じるとされています。

「Aさんを選んだら、Bさんとの関係で得られていた楽しさや刺激がなくなる…」 「Bさんを選んだら、Aさんとの安心感や将来の安定が手に入らなくなる…」

このように、どちらを選んでも何かを「失う」ことになります。その喪失感への恐れが、決断を妨げる大きな要因になっているのです。

自分の価値観や将来像が曖昧

もう一つ重要なのが、自分自身の価値観や将来像が明確になっていないケースです。「自分は本当は何を大切にしたいのか」「どんな将来を描きたいのか」が曖昧だと、どちらが自分に合っているのかの判断基準がなくなってしまいます。

私の元同僚は、長年の二股状態から抜け出せず、カウンセリングを受けたときにこう気づいたそうです。「実は自分が将来どうなりたいのかが全く分かっていなかった。だから、どちらを選ぶべきかの物差しがなかったんだ」と。

自分自身のコアな価値観や人生の方向性が定まっていないと、パートナー選びの基準も曖昧になってしまうのです。

安心領域から抜け出せず、先送りしてしまう

そして最後に、単純に「今の状態」という安心領域から抜け出せないという心理も働きます。どちらかを選ぶということは、今の状態を変えることであり、新しい関係性に踏み出す勇気が必要です。

「このままでも何とかなっている」「今決める必要はない」と思い込み、決断を先送りにすることで、一時的な安心感を得ているのかもしれません。でも、それは問題の根本的な解決にはつながらないんですよね。

心理学者のロロ・メイは「決断から逃げることは、自由からも逃げることだ」という言葉を残しています。決められない状態は、実は自分自身の自由を制限しているのかもしれません。

実際の体験談:どうやって決断したの?

理屈では分かっていても、実際にどう決断すればいいのか悩むものです。ここでは、実際に二股状態を経験し、乗り越えた方々の体験談をご紹介します。それぞれの決断プロセスから、何か参考になるヒントが見つかるかもしれません。

29歳・男性Cさんの場合 — 連絡断ちで本音と向き合う

Cさんは大学時代の同級生Aさんと、会社の先輩Bさん、どちらにも好意を持ち、アプローチしていました。でも次第に心が疲弊してきたそうです。

「朝起きて最初に考えるのが『今日はどちらにLINEを送るべきか』で、夜寝る前も『どちらと電話で話すか』で悩む日々でした。自分でも『こんなことをしていいのだろうか』と罪悪感を感じていましたが、どちらかを選ぶ決断ができなかったんです」

転機になったのは、心身ともに限界を感じたことでした。

「ある日、頭痛と胃痛で会社を休んでしまったんです。これはまずいと思って、思い切って1週間の連絡断ちを実行しました。スマホは友人に預け、誰とも連絡を取らずに自分と向き合う時間を作ったんです」

その1週間で、Cさんは自分の本当の気持ちに気づいたといいます。

「連絡を断って初日は禁断症状のように不安でしたが、3日目くらいから少しずつ頭が整理されてきました。『本当に自分が心地よいと感じるのは誰か』という問いを自分に投げかけ続けたんです。そして気づいたのは、Aさんといるときの方が自然体でいられること、価値観の一致度が高いことでした」

現在はAさんと同棲中だというCさん。振り返ってこう話します。

「決断は本当に怖かったけど、Bさんにはきちんと会って、正直に気持ちを伝えました。もちろん傷つけてしまい、しばらく連絡は取れなくなりましたが、最近では普通に挨拶できる関係に戻りつつあります。何より、自分自身の心が軽くなりました」

Cさんのケースからは、一度すべての関係から距離を置き、自分自身と向き合う時間を作ることの大切さが伝わってきますね。

26歳・女性Dさんの場合 — 友人の一言で気づいた本当の気持ち

Dさんは趣味で知り合ったX君と、友人の紹介で出会ったY君の間で悩んでいました。週替わりで会う生活を続けていたところ、体調を崩してしまったといいます。

「最初は『二人と付き合えて幸せ』なんて思っていたけど、嘘をつき続ける精神的ストレスは想像以上でした。いつバレるかという恐怖、自分がしていることへの罪悪感…。そのうち不眠になり、食欲もなくなってきたんです」

悩んだ末、信頼できる友人に相談することにしました。

「友人は私を責めるのではなく、一つの質問をしてくれたんです。『どちらと老後の話をするほうが胸がときめく?』って。その瞬間、頭の中でY君との将来の姿が鮮明に浮かんだんです。家を建てて、犬を飼って、一緒に旅行に行く…そんな具体的な未来が見えたのはY君との関係だけでした」

この「老後の話」というフレーズが、Dさんの決断を後押ししたようです。

「それまで『どっちがイケメンか』『どっちが年収が高いか』みたいな表面的なことで比べていたけど、友人の質問で本質的なことに気づかされました。自分が本当にワクワクするのはどちらなのか。その視点で見たときに、答えは明確だったんです」

今はY君と婚約しているというDさん。こう振り返ります。

「X君には正直に話しました。もちろん傷つけてしまったけど、『これ以上嘘はつけない』という気持ちでした。今思えば、もっと早く決断するべきだったと思います。どちらも大切にしているつもりが、実は両方を傷つけていたんですから」

Dさんの例からは、将来を具体的にイメージすることの重要性と、信頼できる第三者の視点がいかに貴重かが分かりますね。

31歳・男性Eさんの場合 — 一度リセットして再確認

Eさんのケースは少し異なります。大学から続く幼なじみFさんと、転職先で出会った同期Gさん、どちらとも深い関係になっていました。

「最初は『どちらも大切』と思っていたんですが、次第に自分の行動に疑問を感じるようになりました。なぜなら、どちらとの時間も心から楽しめなくなっていたからです。常に『もう一人のことを考えている自分』がいて、結果的にどちらとの時間も中途半端になっていました」

Eさんが取った行動は、思い切った「リセット」でした。

「ある日、勇気を出して二人とも一度別れを告げ、距離を置くことにしました。『自分の気持ちを整理したい』と正直に伝えたんです。もちろん二人とも驚き、悲しんでいましたが、その反応を見て初めて『自分は二人を傷つけていたんだ』と実感しました」

そして数カ月間、一人の時間を過ごすことで、Eさんは自分の本当の気持ちに気づいたといいます。

「距離を置いて気づいたのは、自分の本当の気持ちがFに向いているということでした。Gとの関係は、新しい環境での孤独感や不安から生まれた依存だったのかもしれません。Fのことを考えると、『この人と一緒にいたい』という純粋な気持ちがあることに気づいたんです」

その後、Eさんは再びFさんに想いを伝え、Gさんには「友人関係を大事にしたい」と正直に告げたそうです。

「今振り返ると、一度すべてをリセットする勇気が必要でした。その間は本当に辛かったけど、自分と向き合う大切な時間だったと思います。結果的に三人とも、より健全な関係に進むことができました」

Eさんの体験からは、時には一度すべての関係をリセットして、自分の気持ちを客観的に見つめ直すことの大切さが伝わってきます。

決断に向けたステップ:具体的な行動プラン

ここまで実際の体験談を見てきましたが、では具体的にどのようなステップで決断に向かえばいいのでしょうか?以下に、心理カウンセラーや恋愛コンサルタントが推奨する具体的な行動プランをご紹介します。

一旦、両方と距離を置く

まず最初に取るべき行動は、一定期間、両方との接触を減らすことです。これは「連絡断ち」のような極端なものである必要はありませんが、少なくとも1〜2週間は、デートや頻繁な連絡を控え、自分自身と向き合う時間を作りましょう。

「でも、連絡しないと相手が離れていってしまうのでは?」という不安があるかもしれません。しかし、本当に深い関係であれば、短期間の距離は関係を壊すものではありません。むしろ、あなたが真剣に考えていることを伝え、理解を求めることで、相手もあなたの決断を尊重してくれるでしょう。

具体的には、こんな風に伝えてみるのはいかがでしょうか。

「最近、自分の気持ちを整理する時間が必要だと感じています。1週間ほど、少し連絡を減らして考える時間を持ちたいのですが、理解してもらえますか?」

この時間は、自分の心と向き合うための大切な期間です。日記を書いたり、一人でゆっくり散歩したり、昔の写真や思い出を振り返ったりして、自分の本当の気持ちに耳を傾けてみましょう。

メリット・デメリットを書き出す

距離を置いている間に、具体的に紙やスマホのメモアプリに、それぞれの関係のメリットとデメリットを書き出してみましょう。このとき、単に「優しい/かっこいい」といった表面的な特徴だけでなく、以下のような観点から比較してみるのが効果的です。

  • 一緒にいるときの居心地の良さ
  • 価値観の一致度(お金、家族、仕事に対する考え方など)
  • 将来のビジョンの共有度
  • コミュニケーションの質と量
  • 困ったときの支え方
  • 成長を促してくれるか
  • 信頼度と安心感

書き出すことで、頭の中だけで考えるよりも客観的に状況を把握できます。ただし、単純に「点数が高い方」を選ぶのではなく、自分にとって特に重要な項目はどれかを意識しながら検討してみてください。

譲れない価値観を明確化

次に、より深いレベルで「自分にとって譲れない価値観は何か」を明確にしましょう。例えば:

  • パートナーに求める最低条件(例:誠実さ、思いやり、自立性など)
  • 10年後に叶えたいライフスタイル(例:子どもの有無、住む場所、仕事と家庭のバランスなど)
  • 人生で最も大切にしたいこと(例:家族、キャリア、趣味、社会貢献など)

これらの価値観に照らし合わせたとき、どちらのパートナーがより自分の理想に近いのかを考えてみてください。価値観の一致は、長期的な関係の安定性に大きく影響します。

第三者に相談する

一人で考え込むよりも、信頼できる第三者に相談することで、新たな視点が得られることがあります。このとき大切なのは、「どちらを選ぶべきか決めてほしい」というスタンスではなく、「自分の気持ちを整理する手伝いをしてほしい」というアプローチです。

相談相手としては:

  • 長年の付き合いがある親友
  • 恋愛観が似ている兄弟姉妹
  • 人生経験が豊富な年上の知人
  • 必要に応じて、専門のカウンセラーやセラピスト

相談するときのポイントは、両方の関係について正直に話すこと。良い面だけでなく、不安や懸念点も含めて共有することで、より有益なフィードバックが得られるでしょう。

「この人と一緒にいるとき、あなたはどんな表情をしているか教えて」と尋ねてみるのも一つの方法です。自分では気づかない、外から見た自分の姿を知ることができるかもしれません。

決断後のフォロー:誠実に対応するために

決断をした後も、誠実な対応が求められます。特に選ばなかった方への配慮は、あなた自身の心の平和のためにも重要です。

どちらかに選ばなかったことを正直に伝え、傷つけた相手を尊重する

選ばなかった相手への伝え方は、その後の関係性にも大きく影響します。以下のポイントを心がけましょう:

  • 直接会って話す(LINEや電話ではなく)
  • 「あなたが悪いわけではない」ことを明確に伝える
  • 具体的な理由を簡潔に説明する(相手を傷つける比較は避ける)
  • 相手の反応を受け止める姿勢を持つ
  • 必要であれば、しばらく連絡を控えることを提案する

例えば、こんな風に伝えるといいかもしれません:

「正直に話すと、私は自分の気持ちと向き合った結果、〇〇さんとの関係を進めることに決めました。あなたのことは本当に大切に思っています。だからこそ、中途半端な気持ちのままでいることはできないと思ったんです。しばらくは連絡を控えた方がいいかもしれませんが、いつか友人として会える日が来ることを願っています」

決断した相手には誠実に想いを伝え、二股を解消した誓いを示す

選んだ相手にも、正直に状況を伝える必要があります。すでに二股状態を知っている場合はもちろん、知らない場合でも、誠実に関係をスタートさせるためには、ある程度の告白が必要かもしれません。

ただし、必要以上に詳細を話す必要はありません。大切なのは、「あなたを選んだ」という事実と、今後の誠実な関係への決意を示すことです。

例えば:

「実は最近まで、自分の気持ちに迷いがあったんだ。でも真剣に考えた結果、私が本当に大切にしたいのはあなただと気づいたんだ。これからは誠実に向き合っていきたい」

このような正直な対話が、新たな関係の信頼の基盤となります。

一定期間は「友達以上恋人未満」を避け、きちんと距離を取る

選ばなかった相手との関係を、すぐに「友達」に戻そうとするのは避けましょう。お互いの感情が整理されるまでには、一定の時間が必要です。

「友達でいよう」と言いながらも、実際には曖昧な関係が続くと、再び同じ問題に戻ってしまう可能性があります。明確な境界線を設け、少なくとも数ヶ月は距離を置くことをお勧めします。

もし相手から連絡があった場合も、優しく丁寧に、でもはっきりと距離を保つ意思を伝えましょう。それは相手の気持ちを尊重する行為でもあります。

決断するときのチェックポイント:本当の選択基準とは?

最後に、決断をする際の重要なチェックポイントをいくつかご紹介します。これらは、表面的な比較ではなく、より本質的な選択基準となるものです。

将来の具体的なビジョンを描いてみる

5年後、10年後、あるいは老後の自分たちの姿を具体的にイメージしてみましょう。一緒に住む家の様子、週末の過ごし方、困難が訪れたときの支え合い方…。

「この人と一緒に歳を重ねていくイメージができるか」という問いは、意外と本質をついています。表面的な魅力や一時的な情熱を超えた、長期的な相性の良さを測る指標になるからです。

一緒にいて自然体でいられるか

「この人といるとき、自分はどれだけ自然体でいられるか」も重要な基準です。長期的な関係において、常に取り繕ったり、自分を偽ったりしながら過ごすのは非常に疲れるものです。

自分の弱さや欠点も含めて受け入れてくれる相手、そして自分もその人のありのままを受け入れられる関係こそ、長く続く関係の基盤となります。

心理学者のカール・ロジャースは「無条件の肯定的配慮」という概念を提唱しましたが、まさにそのような受容が感じられる関係かどうかを考えてみましょう。

失ったとき後悔しないほうはどちらか

思考実験として「もしこの人を失ったら…」と想像してみるのも効果的です。どちらを失ったときに、より深い後悔を感じるでしょうか?

人間は往々にして「手に入れられないもの」に価値を見出す傾向がありますが、この思考実験では、純粋に「この人がいない人生」をイメージし、そのときの感情に注目してみてください。本能的な反応が、時に本当の気持ちを教えてくれます。

相手との関係性の「誠実さ」「安心感」を重視

最後に、関係の質を示す重要な指標として「誠実さ」と「安心感」があります。この人との関係に誠実さを感じるか?この人といると安心できるか?

これらは一見地味な基準かもしれませんが、長期的な関係においては、情熱や刺激よりも重要な要素となることが多いのです。嘘や裏切りがない関係、そして心から安心できる関係は、人生における大きな財産です。

心理学者のアーサー・アロンは「親密さの核心は相互の脆弱性の開示にある」と述べています。つまり、お互いの弱さや不安を安心して共有できる関係こそが、真の親密さを生むということです。